広報気になるニュース:「他意のない言葉で経営破綻」47年前の信用金庫の事件に見る、今のSNS上の言葉への危機感(2020.5.12)506
「他意のない言葉で経営破綻」47年前の信用金庫の事件に見る、今のSNS上の言葉への危機感
広報担当者の仕事のひとつに、インターネット上(SNS等)で自社がどう噂されているかチェックするということがある。これは、自社の名前で検索をしたり、「ヤフー リアルタイム検索」を使って日々調べている方もいる。ネット上に出た誤った情報をどう扱うかは、本当に難しいが、軽んじたせいで大炎上になる可能性もある。また、触れたせいで炎上してしまう場合もある。以前、危機管理のセミナーを主催した際に、講師の方に教えられたことの基準のひとつは、語っている人のフォロワー数など見ること。語っている方の知名度や信用度を見ることです。しかし、今回ニュースになっているものは、女子高生の会話から、信用金庫に取り付けが起きたというものだ。1973年の出来事だ。47年前のことだが、短期間で20億円もの預貯金が引き出されることになったという。SNSもないアナログの時代に起きたこの事件。広報担当者にとっては、他人事とは言えないことだ。
よく似た会社名や、同じ名前の違う会社、同業他社を勘違いして書かれてしまうこともある。また、意図的に流されることもある。またフェイクニュースとしてやったことが真実だと思われることもある。
特に今は、コロナ禍で人の心理状態は通常とは違う、平時であれば笑って済ませられることが、大事件になることもある。発言はより慎重に。そして、自社がどう書かれているかのチェックを忘れずに。
※取り付け騒ぎ(とりつけさわぎ、英語:bank run)とは、特定の金融機関や金融制度に対する信用不安などから、預金者が預金・貯金・掛け金等を取り戻そうとして(=取り付け)、急激に金融機関の店頭に殺到し、混乱をきたす現象のこと。
ポイント
女子高生の他意ない言葉が、企業を破綻に。フェイク・デマの怖さ
ニュースサイト
「女子高生の冗談」が招いた信用金庫破綻の危険 人は当事者よりも「第三者の情報」を信用する
https://toyokeizai.net/articles/-/343738
関連サイト
豊川信用金庫事件――女子高生の一言からパニックとなった取り付け騒ぎとは?
https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2019/12/08/88956
記事執筆:伊藤緑(広報ウーマンネット 代表)