vol.20 株式会社タニタ:横田洋子さん(2012年9月)

株式会社タニタ 広報室 横田洋子さん Hiroko Yokota
東京都出身。大学卒業後、大学学長秘書、不動産会社での営業アシスタント、外資系計測機器メーカーにて秘書、人材派遣会社にて営業とコーディネーターを経験、外資系EMS企業の企画広報の業務を経て2008年10月に健康計測機器メーカータニタの広報室に入社。趣味は銭湯めぐり。
広報歴:7年
株式会社タニタ:http://www.tanita.co.jp
丸の内タニタ食堂:http://www.tanita.co.jp/shokudo


経験を生かし、健康について学び伝える女性


伊藤:こんにちは。本当にお忙しそうですよね。そんななか、今日はお時間いただきありがとうございます。インタビューさせていただくのを楽しみにしていました。
横田さん:こちらこそ、ありがとうございます。よろしくお願いします。

伊藤:最初にお会いしたのは2008年ですよね。取材でお伺いして。
横田さん:そうですね。私がタニタに入社したのが2008年10月ですから、ちょうどその頃ですね。

伊藤:そうそう。デジタルクッキングスケールの取材でお伺いしたときに、社員食堂が面白い! と思って、「また来ます!」と言って本当に来たんです。
横田さん:私は社員食堂の取材のときに、ご挨拶させていただいたんですよね。

伊藤:そうですね。今思うと本当に貴重なタニタの社員食堂の定食を食べさせていただきました。荻野さんにも取材させていただいて。その後の加速度的な勢い、すごいですよね。そのお話も、あとで聞かせてください。
横田さん:はい。もちろん。

伊藤:では、さっそくですが、横田さんはタニタに入社される前は、どんなお仕事をされていたんですか?
横田さん:いろんなことをしていたんですが、最初の仕事は学長秘書です。

伊藤:学長秘書!? 今、想定外の答えでビックリしました。どのくらいされていたんですか?
横田さん:2年半くらいですね。その後、不動産会社で営業アシスタントの仕事をしていました。

伊藤:まったく違う分野ですね。
横田さん:学校から不動産。秘書から営業アシスタントですからね。

伊藤:学校と一般企業はやはり違いますよね。
横田さん:確かにそうですね。ただ、その後また外資系企業で秘書に戻りました。

伊藤:では、秘書経験が長いということですね。
横田さん:そうなりますね。

伊藤:そして、タニタへいらっしゃるんですか?
横田さん:いえ。まだなんですよ。その後、人材派遣会社で営業とコーディネーターの仕事をしました。

伊藤:ここまで聞いたところでは、広報のお仕事はされていないということですよね。
横田さん:このあとですね。知り合いから、外資系の日本法人が広報に力をいれるということで転職したんです。

伊藤:そこで始めて、広報の業務に接することに。
横田さん:そうです。それまでは、広報の仕事を外から見ていましたが、実際に何をしているかまではあまり知らなかったですね。

伊藤:その会社ではどんなことを?
横田さん:アメリカのフロリダ・タンパに本社がある電子機器の受託製造サービスを行っている企業で、ワールドワイドで3、4番手の大企業ですが、知名度は低く、まず上司と一緒に新聞社をまわることからスタートしました。

伊藤:外資系の広報は、日本の会社の広報とは違いますよね。
横田さん:そのときは、初めてだったので違いは分かりませんでしたが、確かにそうですね。アメリカ、ベルギー、上海の広報とやりとりをすることが多かったです。

伊藤:具体的にはどんなお仕事を?
横田さん:本国の会社概要の資料を訳して作成したり、海外の展示会に行ったり、海外のお客様のアテンドをしたり。週に1度、海外の広報メンバーとの電話会議もありましたし、3ヶ月に一度の顧問会議の準備を行っていました。

伊藤:やはり海外とのやりとりが多くなりますね。出張も多かったのでは?
横田さん:アメリカの本社を始め、上海、香港、青島にも行きました。

伊藤:そんななか、なぜ転職を?
横田さん:そうですね。広報業務を外資系PR会社に委託する、という話が出てこれは転職をしないといけない、と思ったときに知人からタニタの広報室長を紹介してもらいました。

伊藤:それで、興味を?
横田さん:私自身が板橋出身ということもありますし、子供の頃から健康にとても関心がありました。ただ、すぐに転職したわけでなく、半年くらい経った頃にタイミングよく転職することができました。

伊藤:それが2008年10月。ということは、間もなく4年ですね。
横田さん:あっという間です。

伊藤:ちょうど、社員食堂が盛り上がった時期と重なりますね。
横田さん:ほんと、そうですね。

伊藤:ブレイクのきっかけは何だったんでしょう?
横田さん:2009年4月放送のNHKのサラリーマンNEOの「世界の社食から」で紹介され、その番組をご覧になった大和書房の編集部の方から「社員食堂のレシピ本」を作りたいというお話があったことですね。ただ、レシピ本はいきなり売れたわけではなく、ゆっくり売れていったんです。

伊藤:では、私の記事も少しお役にたっているのかしら? Webマガジンだったので、もうサイトはないんですけどね。
横田さん:ご覧になったかもしれませんね。

伊藤:そうだったら光栄です! と、その前に、タニタに広報として入社された理由は?
横田さん:前職も広報の仕事はしていましたが、タニタの商品にとても興味があって、もっと深く広報に関わりたいと思って入社しました。

伊藤:商品数も多いですし、会社の歴史もありますよね。
横田さん:過去の商品についても学びました。上司の取材には同席して常にメモをとっていました。ちょうど室長が代わって新しい広報室を作っていこうという時期だったので、そこに入ったという感じです。

伊藤:まさに現場で学ぶ、ですね。
横田さん:室長が元新聞記者なのですが、どのようなリリースを発信したら記事にしてもらえるかなど日々学んでいます。

チキンのごまサルサソース定食

伊藤:計測機器なので、そういった部分でも商品についての勉強は必要だったのでは?
横田さん:どうやって体脂肪率をはかるのか、そこから学びました。そして、タニタは、“はかりや”というプライドがあるので、精度にもこだわり、世界初、日本初の商品を作っています。そんな真面目な商品作りをしていることをPRできるように、日々知識を増やしています。

伊藤:「はかりやとしてのプライド」いいですね。そんななか、タニタ食堂(R)が盛り上がって、どうバランスを取っているんですか?
横田さん:タニタは「健康をはかる」ことを通して健康づくりに役立つ商品を生み出しています。そして、健康は食事と運動と休養の3つがバランスよくとれて保たれるもの。実は、レシピ本が出て社員食堂が注目される前の1990~1999年まで、タニタの本社内に「ベストウエイトセンター」という一般の方向けの減量指導施設があったんです。そこでは、当時から500Kcal前後で塩分2~3gのレシピを使って食事指導を行うほか、運動施設、クリニックがありました。その施設が閉鎖した後、レストランが社員のための食堂に変わりました。

伊藤:この場所(タニタ本社の食堂でインタビューをさせていただいていました)ですね。
横田さん:そうですね。今は、耐震補強工事とオフィスのリニューアルを終えまたした。昔はここにプールがあったんですよ。

伊藤:プールが! そこも見たかったですね。では、なぜヘルシーな社員食堂を作られたんですか?
横田さん:健康計測機器を扱う企業ですので、社員は健康でなければいけません。そして、ヘルシーな食事は健康になるための大事な要素のひとつです。

伊藤:社員食堂は、長く続いているんですね。
横田さん:今年で12年目を迎えます。

伊藤:とても広いですよね。
横田さん:そうですね。ただ、ここは社員食堂というだけでなく、ミーティングや接客にも活用しています。

伊藤:丸の内のタニタ食堂のお話もお聞きしたいのですが、なぜ丸の内に?
横田さん:レシピ本のおかげで、一般の方からの問い合わせが増えました。しかし、本社の社員食堂では食べていただけない。以前からプレスルームやアンテナショップ的なものを作りたいという構想がありました。ここ板橋は住宅地でゆったりしているところがあって、やはり丸の内や大手町辺りとは流れる時間のスピードが違うように思うんです。そこで、社員が刺激を受ける場所がほしいと思っていたことと、ビジネスパーソン向けの食事を提供するということで、丸の内にヘルシーな食堂をオープンしました。丸の内の食堂は、営業時間以外は打ち合わせができる会議室として社員が使っています。また、商品も販売しています。

伊藤:新しい拠点ですね。
横田さん:管理栄養士も居ますし、カウンセリングルームではプロフェッショナル仕様の業務用体組成計を置いているのではかっていただくこともできます。

伊藤:食べるだけでなく「はかる」んですね。取材も多いですよね。
横田さん:多かったときは、テレビ、新聞、雑誌の取材が一日に3~4本ということもありました。広報室は4人体制なんですが、男性は取材の立会いで徹夜になることもありました。

伊藤:それだけ、みなさんが健康について知りたいと思っているということですね。そして、広報室の方の健康もキープしなくては、ですね。タニタ食堂のほかには何かされているんですか?
横田さん:「まるごとタニタ生活 体験ツアー」というものを行っています。これは、読売旅行と休暇村協会と一緒に開催しているもので、休暇村に行ってタニタの機器で計測し、昼、夜、朝は地元の食材を使ったタニタ社員食堂(R)の食事をしていただきセミナーやウオーキングを行うというヘルス・ツーリズムです。

伊藤:健康になりそうですね。
横田さん:かなりお勧めですよ。今月は南阿蘇に行きます。

伊藤:同行されるんですか?
横田さん:はい。行きます。

伊藤:いいですね~。参加したいですね。
横田さん:ぜひ!

伊藤:ところで、横田さん:が胸に着けていらっしゃるのは、タニタの計測機器ですよね。ピンク色でとっても可愛い!
横田さん:カロリズム(R) LADYですね。

伊藤:カロリズム(R)って何ですか?
横田さん:からだの動きを計測して、一日の総消費カロリーや活動リズムなどを知ることができる活動量計です。

伊藤:おぉ、そうなんですね。私は、ほとんど動かない日とひたすら動く日があるので着けてみたいです! それにデザインもとってもキュート。
横田さん:以前は、男性っぽいデザインのものが多かったんですが、最近は女性向けの商品も積極的に出しています。

伊藤:アクセサリーっぽく使えるかも!
横田さん:色をコーディネイトしていただいて。

伊藤:では、プライベートのお話をお聞きしたいのですが、趣味は何ですか?
横田さん:(即答で)銭湯です!

伊藤:えっ! 銭湯ですか?
横田さん:土、日のどちらかは必ず行きますね。土日とも行くときもあります。

伊藤:そんなに好きなんですか?
横田さん:好きなんですよ。金曜日に行くときもありますから。

伊藤:その魅力は?
横田さん:広い湯船に浸かり、壁の絵を見ているだけで気分がゆったりしますし、疲れもどこかへ飛んでいく気がします。銭湯の入り口の佇まいもそれぞれ特徴があり、新しい発見もあります。

伊藤:そうなんですね。いいですね~。行くのは近場ですか?
横田さん:会社の近場へも行きますが、車で行くこともあるのでかなり広く制覇していますよ。

伊藤:どうやって探すんですか?
横田さん:どうやら、私には銭湯レーダーがあるらしく(笑)。

伊藤:煙突がなくても分かる?
横田さん:匂いで分かりますね。

伊藤:すごい! プロですね。
横田さん:銭湯マップは描けますよ。

伊藤:素敵です。さて、最後にもうひとつだけ。横田さんにとっての広報とは?
横田さん:たくさんの情報を収集するので日々勉強ですね。アンテナを張り巡らせることも大切ですし。そして、これまでしてきたいろいろな仕事が生かせている仕事だと思います。また、今の広報室のメンバーに恵まれていると。元新聞記者の室長はじめ、広報歴20年の情報量が豊富な先輩、新聞社で広告業務を行っていた文章のセンスがある同僚、と刺激をもらえる環境にいられることはとても嬉しいことです。それに、広報の仕事は短期間で培われる仕事ではないので、この先も楽しみです。

伊藤:横田さんが広報をされていることは、とても自然な気がします。これは、初めてお会いしたときから感じていることです。
横田さん:ありがとうございます。

伊藤:まだまだ忙しいと思いますが、多くの方に情報を伝えてください。今日は、ありがとうございました。


広報ウーマン24時
6:00 起床、朝食は前の晩に作り置きしたものをさっと食べて済ませます
8:30 出勤、メールのチェックなど同僚と前の晩のニュースについて情報交換
8:40 始業前のラジオ体操をまじめに行い、ストレッチでからだを目覚めさせます
8:45 クリッピング作業で社内関連記事や社会情勢などをチェック
10:00 雑誌の取材で、テーマは最新の体組成計について
12:00 社員食堂でダイエットに成功した社員のインタビュー取材
15:00 社内の取材アレンジや取材後の校正確認
16:00 丸の内タニタ食堂のカウンセリングルームでのテレビ撮影取材
17:00 社内にあるプロフェッショナル体組成計で体組成を計測
19:00 板橋区の女性の健康イベント開催地にて現場確認と担当者とのミーティング
21:30 帰宅、社員食堂のレシピ本を参考にヘルシーな夕食作り
23:00 バスソルトの入った自宅の湯船で明日の業務の予習
24:00 就寝


編集後記
社員食堂で一躍有名になったタニタですが、「はかりや」であることを大切にしている姿勢、世界初、日本初を日々目指して商品作りをしているという職人的な企業であることを、改めて感じました。横田さんは、最初にお会いしたときから、とてもアクティブで健康的なイメージでした。だからこそ、健康を大切にする企業の広報にぴったりだと感じています。趣味が銭湯というのも身体を休めるという意味では、健康に繋がることだなと。いろいろな経験をして今の場所に来た、そんなご自分に自信をもって前へ進もうとされている。そんな姿が、「タニタ」という企業の姿と繋がりました。(伊藤緑)