vol.6 久保田知子さん:株式会社コミュニケーションデザイン・株式会社マイスタイル(2009年10月)

株式会社コミュニケーションデザイン 久保田知子さん Tomoko Kubota
東京都生まれ。大学卒業後、TBSラジオの番組キャスター、大手不動産会社の営業職、大手人材派遣会社の人材コーディネーターを経て、株式会社コミュニケーションデザインに入社。現在、取締役兼総務・人事・広報部長として活動している。また、2009年10月には、マネジメント会社、株式会社マイスタイルを設立。
広報歴:7年

株式会社コミュニケーションデザイン:http://www.cd-j.net/


人の魅力を伝える女性


伊藤:こんにちは! 今日はよろしくお願いします。久保田さんとは美人力UPセミナーを、一緒に主催させていただいていて、そのお話もあとでお伺いしますね。
久保田さん:そうですね。こちらこそよろしくお願いします。

伊藤:では、さっそく広報というお仕事についたきっかけを教えてください。
久保田さん:はい。前職は、東証一部上場の人材紹介会社で、人材コーディネーターの仕事をしていました。その会社の在職時に、グループ会社も含めた全社約3,000人の社員総会が横浜アリーナで行われたんです。その時に、以前、私が、ラジオの番組のキャスターをやっていた経験から、総合司会を依頼されました。

伊藤:3,000人の総会で総合司会ですか? 本来なら、プロの方に頼む感じですよね。
久保田さん:そうなんですが、私に依頼がきましてそれをお受けしたんですね。そうしたら、その後、採用広報という形で、新卒の採用時に現場のお話をしたり社員募集のときに窓口としてインタビューを受けたりという仕事をすることになったんです。それまでに、人材コーディネーターとして約2,000人くらいの人を面接していたので、採用という意味ではそれまでの経験が役立ったと思います。

伊藤:人材コーディネーターの仕事をしながら採用広報に携わることになったんですね。そこから、広報的なことに興味を持たれたとか?
久保田さん:そうですね。実際、採用広報にも関わりながら仕事をしていたのですが、広報という仕事に興味を持ちまして、専門的に広報の仕事をしたいという声を上げたんです。そうしたら、いくつかの企業からオファーをいただきました。それはインハウスの広報もありましたし、PR会社もあったのですが、そのなかから今の会社を選んで転職しました。

伊藤:いくつかの会社からオファーがあったというのは、羨ましいお話ですね。そのなかで、コミュニケーションデザインを選んだ理由は何ですか?
久保田さん:最初は、ベンチャー企業に行くつもりなかったんですが、弊社の社長から会社の規模を大きくしたいということを言われたこと。私自身、これまでに、不動産、人材コーディネイトの仕事をしてきている、また人前で話すことができるということから、引き出しがいっぱいある人なので一緒に仕事をしたいと言ってもらったことが理由です。

伊藤:一緒に会社を大きくするというスタンスでの入社だったんですね。
久保田さん:そうですね。また、社長の玉木は広報の本を書いており、実際、その本を読んでいたので広報学を学ぶなら、この人がいい、この人について行けば学べるだろうということで入社を決心しました。

伊藤:確かに、玉木社長はたくさんの著書がおありですよね。私も広報時代に読ませていただいています。ところで、今は取締役ですが、いつから取締役になられたんですか?
久保田さん:マネージャー職で入社して8ヶ月後に取締役に就任しました。

伊藤:8ヶ月ですか? それは何が評価されたと思われますか?
久保田さん:新規の営業力、また既存のクライアントの拡大が評価されたと思っています。

伊藤:久保田さんは、とても柔らかい印象なのに、仕事ができる! というそのギャップがいいですよね。ところで、久保田さんにとっての広報のおもしろさは何ですか?
久保田さん:まず、人とのコミュニケーションですね。そして、良いもの、ひと、ことを見いだして、広めていくことができる仕事だということです。広報は、広告と違って、第三者に語ってもらうものなので、いかに納得してもらうかというところでコミュニケーション能力が試されますね。これは、人材コーディネーターをしていたときにも、その人の良さを企業に伝えるということをしていたので経験が生きているのかもしれません。

伊藤:コミュニケーション能力、確かに広報には必須ですね。では、PR会社を選んだ理由はなんでしょうか?
久保田さん:広告は、媒体にしばられますが、PRは媒体に捕らわれる必要がないので、その点が大きいです。BtoBの会社ならビジネス誌を中心に新聞等。BtoCの会社なら一般誌やテレビが良いとか、自分の目で見極めて仕事を進めていけるのがいいですね。

伊藤:確かに、広告はいろんな縛りがありますし、最近は、ユーザーの方も、広告と記事を見分けるようになってきているように思います。ここで、採用についてお聞きしたいのですが、御社は、とても多くの新卒の方がエントリーしていると聞いています。実際、何人くらいの人から応募があるのでしょうか?
久保田さん:昨年は、約12,000人ですね。

伊藤:12,000人! その中で採用されたのは何名ですか? また、それだけ多くの人が応募する理由は何だと考えますか?
久保田さん:採用したのは6名です。応募が多い理由は、弊社にメディア出身者が多いことでしょうか? そういう人間から学びたいという学生の人が多く応募してくれています。また、弊社は少人数ですが、選りすぐりのメンバーだと思っています。また、Webサイトでは会社の雰囲気をオープンにしています。面白い部分も苦労する部分も包み隠さず公開しているので、現場がイキイキしていることが伝わるのかもしれません。

伊藤:少人数のPR会社ということは、仕事は一人でいくつも抱えているということですよね。
久保田さん:大手の会社では、入社1年間は研修期間とか、営業は営業、コンサルタントはコンサルタントと分業されているところもあるようですが、弊社は、研修は入社3か月程度で終了し、独り立ちするのは個人の能力次第としています。また担当者がクライアントとのリレーションも行い、メディアリレーションも行うようにしているのでPRスキルを付けるには適した環境と言えるでしょう。とにかく、新卒の社員にも限界を作らないようにしています。

伊藤:限界を作らないというのは?
久保田さん:やれることがあれば、とことんやるということですね。今、フェスティバル/トーキョーのPRも行っていますが、今年入った新卒も関わっています。

伊藤:PR会社だと新卒はとらない会社もあると聞きますが……。
久保田さん:そうですね。でも、弊社には、広報未経験者が入社してきても、その人を広報のスペシャリストにするだけのノウハウが整っているんです。そのノウハウは、会社が今よりもっと小さいときから作ってきていて、広報スペシャリストへのバイブルがあるんです。未経験者も学ぶ場があり、会社には教える術があるということなんです。

伊藤:広報のスペシャリストを育てられるってすごいですね。だから、新卒の学生に人気があるんですね。
久保田さん:そうですね。新卒が安心して入ってこられると思っています。

伊藤:では、広報を目指す人にとって大切なことは何だと考えますか?
久保田さん:それを人事部長に聞きますか(笑)。そうですね。コミュニケーション能力があるかということを見ていますね。そして素直な心、企画力、文章力、勉強する意欲など。スキルは学べば身に付けられますが、人の資質は変わらないのでコミュニケーション能力がない人にそれをつけるのは時間もかかりますし、難しいことなんです。ですからそこがポイントのひとつです。そして、私が面接で見るのは自分の言葉で語ることができるか? ということです。今年の新卒者は、さきほども話しましたが、すでに現場で仕事をしていますし中には既に窓口担当者もいます。

伊藤:まさに、育てる力があるということですね。では、久保田さんが広報の仕事をするうえで、大切にしていることを教えてください。
久保田さん:一期一会ですね。ラジオのキャスターをしていたときに出会った人、またその後の仕事で出会った人、そういう人との出会いで今ここにいると思っています。弊社の社員も、面接で、玉木と私に会って、この会社に来ることになるという意味では、すべて出会いですね。採用の最終面接は私が担当しています。今は人事部長、総務部長、広報部長の兼務です。

伊藤:そこに、実際にご自身もPRを担当されている。すごいエネルギーですね。そして、新しい会社を作られたというお話も聞きました。その会社について教えてください。
久保田さん:株式会社マイスタイルという会社を10月に立ち上げました。これは、私が社長をさせていただいています。

伊藤:業務内容を教えてください。
久保田さん:タレント(文化人含む)のマネジメント業とテレビ、雑誌、ラジオ、Web、書籍、CD、DVD、セミナーの制作事業ですね。

伊藤:この会社を作ろうと思ったきっかけは何ですか?
久保田さん:これまで、コミュニケーションデザインでは、企業のPRも行うけれど、個人のPRも行っていました。それが、コミュニケーションデザインでは企業にフォーカスしていくことに変わったんです。そこで、個人のPR、マネジメントについてはマイスタイルで行うという形をとることことで設立しました。

伊藤:今はどんな方をマネジメントされているんですか?
久保田さん:外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任されて、キットカットのCMでカンヌ国際広告賞でグランプリを受賞された関橋英作さん、元テレビ朝日アナウンサーで現在はフリーアナウンサー・タレント・エッセイストである南美希子さん、そして、和製オードリー・ヘップバーンといわれている「ハイヒール・マジック」(講談社)も好調なマダム由美子さんなどです。

伊藤:いろんな方がいらっしゃるんですね。マネジメントの方法としては、どんなことをされているんですか?
久保田さん:これは、この会社を作るきっかけにもなっていて、海外のPR会社では、すでに行われていることなのですが、映像をPR会社で作成して、それを放送局に渡し、番組内で取り上げていただくということ行っています。こちらが撮って欲しい映像を作ってしまうということです。今後は放送局もあまり予算がないですから、画がとれることを確認するために下見に来て、カメラを連れてまた来るということも大変になっています。そこで、こういう画が取れますよ、ということを映像で伝えるんです。それをそのまま使っていただいてもいいですし、それを見て、画がとれるから実際に撮影に行こうということになるわけですね。

伊藤:確かに、テレビの人にとっては画になるかどうかは大きいですよね。よく、どんな画が取れますか? って聞かれます。
久保田さん:それに映像で伝えると、こちらが伝えたいことがぶれないんです。それも大きいですね。PRは目に見えない曖昧なものも多いので、取り上げ方は確約できません。受け手によっても印象が変わってしまいます。映像というコンテンツが加わることで、それが正しく伝わる可能性が高いと考えています。そして会社の立ち上げ時にテレビ番組を作っていた映像プロデューサーもマイスタイルに所属することになり、タイミングの良さに驚いています。これでさらに良い映像を提供できるようになりました。

伊藤:テレビは放送されないと分からないということもありますし、映像は本当に大切ですね。では、ちょっと話が変わりますが、美人力UPセミナーについて、少し聞かせてください。これは、広報ウーマンネットも一緒に主催させていただいているのですが、広報になぜ美人力が必要か? について教えていただきたいです。
久保田さん:広報担当者やPR会社の人間は、会社の顔になると思っています。ですから、自分の言葉で語って欲しいですし、服装、身なりに関してもきちんとして欲しいとメディアもクライアントも思っています。内面が美しいことは当たり前ですが、第一印象はとても大事ですので、外見で損をしてしまってはもったいないんです。そして、メディアの人も、気持ち良く語ってくれる人に話を聞きたいと思うし、もう一度会いたいと思います。そのためには、心だけでなく、外見からも美しくなければならないのです。そこで、PRのお手伝いをしている、マダム由美子さんを、今回、講師にお願いしました。彼女は、内面の美しさを語る人ではあるけど、外見の美しさをとても大切にしている人なのです。

伊藤:確かに、第一印象は本当に大事ですね。
久保田さん:そうなんです。スタートラインで不利にならないようにしなければならないんです。そして、美人力を維持し、UPしていかなければならないと考えています。広報もそうですが、営業も同じですよね。対人能力的な仕事は、そういう部分で損をしないため、というか一歩リードするために、美人力をUPしておく必要があるのです。また、外見を磨くこと、綺麗になることで、その相乗効果として、発言にも自信がついてきます。そうすると人に好かれるようになります。女性にとって、綺麗であることはひとつの力です。

伊藤:今の私にとっても必要な美人力、セミナーを主催しつつ美人力UPし、維持していきたいと思います。では、最後に、プライベートなお話を少し。久保田さんは不動産に興味を持っていらっしゃるとか?
久保田さん:そうなんです。不動産には、学生のときから興味がありました。その後、社会人になって、宅地建物取引主任者の資格をとりました。とにかく建物や土地が好きなんです。

伊藤:不動産の魅力ってなんですか?
久保田さん:私は、土地や物件を儲かる、ということでは買わないんです。土地を好きになって、住んでみたい、風を感じたいと思って取得するんです。年末年始には、オーストラリアの家に行きますよ。とにかく良いところなんです。そのほかに好きなことは、ビーチヨガですね。ビーチで潮風を浴びてヨガをするのはとても気持ち良いです。あとは、ドライブ、先日、着物の先生を訪ねて、京都まで一人で運転して行ってきましたよ。

伊藤:不動産にヨガにドライブ。幅広いですね。とにかくオーストラリアの家は素敵ですね。ぜひ、お伺いしたいです! 今日はありがとうございました。


広報ウーマン24時
6:00 起床・ストレッチ・朝食・犬の散歩・新聞読み・身仕度など
9:00 出勤・監査役と幹部会議
10:00 株式会社マイスタイル所属タレントと映像プロデューサーとの打ち合わせ
12:00 出版社の方とミッドタウンでランチミーティング
14:00 クライアントとの打ち合わせ
16:00 記者会見に向けてのリリース作成、メディアとのリレーション
18:00 広報ウーマンネットの取材、撮影 美人力UPセミナーの企画打ち合わせ
20:00 東京都文化発信プロジェクトの打ち合わせ
21:00 テレビ局番組出演メンバーと打ち上げに参加
23:00 帰宅 犬の散歩・お風呂でTVチェック・明日の準備
25:00 音楽を聴きながら就寝


編集後記
広報ウーマンネット、初のPR会社の方へのインタビューです。PR会社というのは、本当に数多くあり、やり方もさまざまだと思いますが、久保田さんさんは、ご自身と立ち位置や、やり方をとても明確にしていらっしゃる方だと思いました。ご本人もとてもキュートな方、でも、バリバリ仕事をされる方。そのギャップ、とても魅力的です。インハウスの広報ウーマンとは、また違った視点での広報との関わり方をお聞きできた気がします。美人力UPセミナーについても、二人で話していてあっという間に決まったんです。これから、第2回、第3回と続けていきますので、楽しみにしていてください。(伊藤緑)

photo by eiji yamagata(社内撮影)