vol.14 温熱ケアサロンMAR:瀬戸口美香さん(2011年12月)

温熱ケアサロンMAR 瀬戸口美香さん Mika Setoguchi
温熱ケアサロンMAR(マール)鍼・灸・あんま・マッサージ・指圧 国家資格者 温熱コンシェルジュ
大学時代アメリカでメディカルを学び、東洋医学と西洋医学の基礎的知識に加え「冷えの怖さ、温めることの大切さ」の理念を経絡治療学会の理論によって、分析、整理、統合を行う。平成18年に、「温かい環境は、美しい人をつくる」をテーマにしたケアサロンMARをオープン。4000年という長い歴史のある鍼灸(はりきゅう)と特別なツールやコスメを組み合わせたオリジナル・メソッドであらゆる美と健康をサポートしている。
<免許>
鍼・灸・あんま・マッサージ・指圧 国家資格
温熱ケアサロンMAR(マール):http://www.salon-mar.com/


身体を温めることの大切さを伝える女性


伊藤:こんにちは。お時間をいただきありがとうございます。「温熱コンシェルジュ」というという名前でお仕事されていることに興味を持ちました。今日は、身体を温めることについて教えてください。
瀬戸口さん:こちらこそよろしくお願いします。今は身体が冷えている人が多いんですよ。ですから、「温熱コンシェルジュ」という名前で、身体を温めることの大切さを伝えていくことを仕事にしています。

伊藤:さっそくですが、温熱、温活という言葉を使われているのですが、それはどういうことでしょうか? お風呂に入るということとは違うのですか?
瀬戸口さん:もちろん、お風呂に入ることも身体を温めるためには大切なことです。ただ、忙しい方はシャワーで済ませていたりしますよね。私は、医療認可を受けている温熱器を使って、短時間で適切な場所に熱を入れるということをさせていただいています。

伊藤:「短時間で熱を入れる」ですか? それは、身体を温めることとどう違うのでしょう?
瀬戸口さん:身体の表面を温めるのではなく、適切な場所を温めるといったら分かりやすいでしょうか? 多くの方は、内蔵が冷えているんですよ。ですから熱を入れる=熱を注入して内蔵を温めるのです。

伊藤:熱の注入! なんだか熱そうですが……。というか先ほど、体験させていただいたのですが、マジ熱かったです! 「同じ温度でやってください!」って叫びましたから。
瀬戸口さん:そうですよね。その「あぢぢっ」が大切なんです。ずっと同じ温度で施術させていただいていたのですが、伊藤:さんの内臓が冷えている部分は、とても熱く感じるんですよ。そして、そここそが温めなければならない場所です。

伊藤:えっと、確か肝臓と十二指腸といわれたような……。
瀬戸口さん:そうですね。冷えている場所は何かが滞っている場所。そこに熱を入れることで、滞りを取るのです。そして、温めることで、ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)が生まれます。熱の負荷で発生する良質のたんぱく質です。

伊藤:ヒートショックプロテイン? それは、どういうものなのですか?
瀬戸口さん:傷ついた場所を治す万能なたんぱく質です。ヒートショックプロテインが増えると、疲れにくくなるともいわれているのです。ですから、スポーツ選手にもお勧めなんですよ。HSPと略されることもありますね。

伊藤:最近疲れやすいので必要です。それに、私は長湯ができないので、短時間で熱を入れることで身体が温まって、HSPが生まれるのは嬉しいですね。
瀬戸口さん:これからHSPはキーワードになっていくので覚えておくと良いですよ。それから、伊藤さんに質問ですが、平熱は何度くらいですか?

伊藤:36.5度くらいかな。
瀬戸口さん:ギリギリですね。

伊藤:ギリギリって?
瀬戸口さん:人間の腋下の理想平均体温は、南山堂が出版する医学大辞典にとると、36.8±0.34度とされているんです。分かりやすくいうと、36.5度から37.1度が理想ということですね。

伊藤:そうなんですか? 私、以前はもっと体温が低かったと思います。クールなオンナって感じで。
瀬戸口さん:クールなオンナなんて流行りませんよ(笑)。これからはホットでないと。

伊藤:ちなみにその体温には理由があるんですよね。37.1度というと微熱というイメージですが。
瀬戸口さん:微熱とは違うんです。身体のなかのことですね。そして理由はもちろんあります。体温が低くなると毛細血管が収縮します。手足が冷えるってことですね。そうすると、毛細血管からでるはずのリンパ球というものが、毛細血管から出られなくなるんです。

伊藤:リンパ球。それはリンパの流れと関係があるのですか?
瀬戸口さん:ありますね。リンパの流れが悪いというのは、リンパ球が流れていないということでもあるんです。

伊藤:リンパ球というのは、そんなに大事なものなんですか?
瀬戸口さん:大事ですよ。リンパ球は、身体のなかの異形細胞(ガンの元になる細胞)を食べてくれているのです。そして、毎日3000個はできるというガン細胞も食べてくれています。

伊藤:えっ、ガン細胞って毎日できているんですか?
瀬戸口さん:そうですよ。それをリンパ球が食べてくれるので、ガンにならないのです。ガンは、その場所が悪いというよりも、リンパ球が足りない場所、リンパ球が食べ残してしまった場所にできるんです。

伊藤:初めて知りました。それってすごくリンパ球が大事ってことじゃないですか!
瀬戸口さん:そうなんです。ただ、それがまだあまり知られていなくて。そして、リンパ球を身体に巡らすためには毛細血管を広げる必要があります。それには体温をあげることが必要なのです。

伊藤:そう繋がるんですね。納得です。
瀬戸口さん:ちなみに、体温が1度下がると免疫力が40%低下し、1度上がると免疫力は5~6倍になるといわれています。私は、1度2,000万円なんて言ってますけど。

伊藤:いや、それは2,000万円以上の価値かも。2億ですよ。2億! リンパ球の数値は、どうやって知ることができるんですか?
瀬戸口さん:血液検査でわかりますよ。30~35くらいがベストですね。30未満の方は、身体を温めてくださいね。

伊藤:もうひとつ聞いてもいいですか? 汗かきの方は体温が高いと考えていいんですか?
瀬戸口さん:汗かきの方は、冷え性ではないと思っている方が多いようですが、汗かきの方こそ冷え症なんですよ。体温を調整することができないから汗をかく。だから、体温が高いのとは違いますね。そして、体温調整ができない人は、水分が溜まってしまうのでむくむんです。一日2Lのお水を飲むと良いといいますが、ただ飲めば良いというものではなく、ちゃんと流せるようにしないと古い水分が溜まってしまうんですよ。

伊藤:わ~。勉強になります。私、すんごく脚がむくむんですけど、水の飲み過ぎかも。すっかり身体の話に夢中になってしまいましたが、瀬戸口さんは、どういう流れで今のお仕事をされることになったんですか?
瀬戸口さん:私は、アメリカの大学でメディカルを学んでいたんです。そのときに、胃を悪くして病院にかかりました。薬を処方されて胃は治ったのですが、こんどは肝臓が悪くなってしまって。そのときに中国人の同級生に鍼を勧められました。それで、チャイナタウンで鍼を受けたのです。そうしたら、すっかり治って。それから鍼に興味を持ちました。

伊藤:それで、西洋医学と東洋医学の両方をご存じなんですね。で、その後、鍼を学ばれたんですか?
瀬戸口さん:本当はすぐにそうしたかったんですが、日本に帰ってきて東洋医学を学ぼうと思ったのですがすぐにはできなったんです。そこで、アメリカで日本語教師の免許を取っていたので、日本の大手企業で海外から日本来ている社員や社員の家族の方に日本語を教えていました。

伊藤:そうなんですね。それにしても日本語教師とは多才ですね。では、鍼はどのタイミングで学ぶんですか?
瀬戸口さん:日本語教師を辞めたあと、大手企業の役員募集という求人を見たんです。

伊藤:役員募集? それってすごくないですか?
瀬戸口さん:そうなんですが、受けてみて6次面接くらいまでいったら、役員というか会長秘書だったんです。会長は素敵な女性で。秘書はやったことがなかったので正直びっくりしましたが「もちろん、やります」ということで採用になりました。

伊藤:すごい大手ですよね(こっそり伊藤:は会社名を聞きました)。
瀬戸口さん:そうですね。

伊藤:今のタイミングではお話できないようですが、いつか教えてくださいね。
瀬戸口さん:もちろん。そうさせていただきます。会長には本当にいろいろ教えていただきましたし。そして、秘書として働きながら、夜に鍼灸を学んだんです。

伊藤:それは、何歳のときですか?
瀬戸口さん:33~36歳くらいですね。

伊藤:そこからキャリアチェンジをされたんですね。
瀬戸口さん:自分がどうしてもやりたかったことですからね。その後、企業を離れて再び医療の道に戻ったんです。ガン治療にも関わっていました。そのときに、温めることの大切さを知ったんです。

伊藤:それで今に繋がると。
瀬戸口さん:そうですね。身体を温めることや鍼灸を、治療ということだけではなく伝えたかったのです。未病にも良いですし、健康な身体をキープして美しくなるという意味で。健康でなければ美しくないですよね。

伊藤:確かに。健康と美は確かに同じ場所にあると思います。私もさっそく体温を計って身体を温めます。温熱器は自宅でも使えるものがあるんですよね。
瀬戸口さん:そうですね。ただ、闇雲に温めればいいというわけではないので、温めることが必要な場所を知ってからご自身でもやっていただけたら良いと思いますよ。スクールも行っていますので興味のある方はぜひ。

伊藤:身体を温める仕組み知りたいです。今日はありがとうございました。


温熱コンシェルジュ24時
6:00 起床。身体を軽く温めて朝食
7:00 知り合いのトレーナに来ていただきトレーニング
9:00 サロンスタッフとの翌月のイベントついて打ち合わせ
10:00 お客様の施術 温熱コースを
12:00 お客様の施術 鍼×温熱コース
13:30 仕事の打ち合わせをしながら、ヒルズにてランチ
15:00 お客様の施術 初回のお客様なので、お体の状態をお聞きしながらコースを一緒に決めていきます。
17:00 お付き合いの長いお客様にのご自宅へ出張して施術
20:00 サロンに戻り、温熱を学びたいという方のための講義
21:30 PRスタッフと今後の打ち合わせしながら夕食
24:00 温熱器で身体を温めながら就寝


編集後記
瀬戸口さん:にお会いするまで、自分の体温について真剣に考えたことはありませんでした。なんとなく36.5度くらいかな~、と思っていたのですが。今、計ってみたら見事、36.8度! 今は机の横に体温計を置いて、気づいたときには計っています。そして、インタビューでお聞きした通り、体温がこんなにも大事だとは知らずびっくりしました。足のむくみも関係があったなんて。ということで、今は身体を温めることを意識し、レッグウォーマーやマフラーをして自宅で仕事しています。「くび」とつくところは冷やさない。以前から言われていることですが改めて実践しています。いろいろ教えていただき感謝しています。(伊藤緑)